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プロフィール
HN:
秋本 勇
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性別:
非公開
職業:
事務・設計
趣味:
ひたすら読書
自己紹介:
はたして事務なのか、はたして設計なのか?!
よく分からない状況の中で働きつつ、したためた小説をここで紹介しています。
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「ねぇー、見て!綺麗な三日月!」
彼女がはしゃいで指差した先に、まるでチェシャ猫がこちらを馬鹿にして笑っているような三日月がぽつんと浮かんでいた。
僕は月があまり好きじゃない。いつでも姿を変えずに、すべてを照らし出す太陽のほうが割かし好きだ。
「綺麗だね」
でも、付き合い始めたばかりの彼女に合わせて相槌を打つと、彼女はきょとんと僕を振り返って見つめてきた。
「何?」
「ううん。私、てっきり月は嫌いなんだと思ってたから」
「……」
思わず本当のことを言われてびっくりした。何で分かったんだろう。
「前、太陽は姿を変えないから好きだって言ったことがあったでしょ?あれって、意味をひっくり返せば姿を変える月は嫌いってことかなって」
くす、と彼女は笑って空を見上げた。そんなことまで覚えていたのか、と少し驚く。
「でもね、太陽があるから月もあるんだよ」
思わず見とれていた彼女の銀色の横顔が急にこちらを振り返ったのに面食らって目を丸くすると、その様子がおかしかったのか彼女は少し笑ってまた三日月を見上げた。
「月は太陽の光を浴びることで綺麗に輝いて見えるでしょう?自分で光ることのできない月は、太陽の光で美しく輝いているんだもん。それってとても素敵なことじゃない?」
少し前に、天体観測に行ったという彼女がそう言うのを僕は少し微笑んでみていた。彼女らしい言葉だった。
「だから、私は月。で、あなたは太陽!」
両腕を広げてくるくるっと踊るようにステップを踏み、彼女が僕の腕に絡み付いてきた。ふんわりとした優しい彼女の感触が右腕に広がり、幸せな気分が心の中に満ちていく。
「いつまでも、私を照らしててね……」
少し寂しそうに彼女は微笑んだ。その顔が三日月の銀色に染められて美しくも儚く見える。
きっと、彼女は気づいている。
新月も、
太陽が月を照らすことができない日も、訪れるということを。
彼女がはしゃいで指差した先に、まるでチェシャ猫がこちらを馬鹿にして笑っているような三日月がぽつんと浮かんでいた。
僕は月があまり好きじゃない。いつでも姿を変えずに、すべてを照らし出す太陽のほうが割かし好きだ。
「綺麗だね」
でも、付き合い始めたばかりの彼女に合わせて相槌を打つと、彼女はきょとんと僕を振り返って見つめてきた。
「何?」
「ううん。私、てっきり月は嫌いなんだと思ってたから」
「……」
思わず本当のことを言われてびっくりした。何で分かったんだろう。
「前、太陽は姿を変えないから好きだって言ったことがあったでしょ?あれって、意味をひっくり返せば姿を変える月は嫌いってことかなって」
くす、と彼女は笑って空を見上げた。そんなことまで覚えていたのか、と少し驚く。
「でもね、太陽があるから月もあるんだよ」
思わず見とれていた彼女の銀色の横顔が急にこちらを振り返ったのに面食らって目を丸くすると、その様子がおかしかったのか彼女は少し笑ってまた三日月を見上げた。
「月は太陽の光を浴びることで綺麗に輝いて見えるでしょう?自分で光ることのできない月は、太陽の光で美しく輝いているんだもん。それってとても素敵なことじゃない?」
少し前に、天体観測に行ったという彼女がそう言うのを僕は少し微笑んでみていた。彼女らしい言葉だった。
「だから、私は月。で、あなたは太陽!」
両腕を広げてくるくるっと踊るようにステップを踏み、彼女が僕の腕に絡み付いてきた。ふんわりとした優しい彼女の感触が右腕に広がり、幸せな気分が心の中に満ちていく。
「いつまでも、私を照らしててね……」
少し寂しそうに彼女は微笑んだ。その顔が三日月の銀色に染められて美しくも儚く見える。
きっと、彼女は気づいている。
新月も、
太陽が月を照らすことができない日も、訪れるということを。
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